アルマイトのラッキングってなに? 電気を通す接点(タッチ面)とは
アルマイトとはアルミ素地の表面に強固な酸化被膜を作って、アルミ製品を強くする技術です。
それでは強固な酸化被膜を作るためには、どのような作業が必要なのでしょう。
まず、どうしたら強い酸化被膜を作ることが出来るのかを考えます。
薬品の中に製品を入れると良いのでしょうか。
それとも鍍金(めっき)のように表面を成分が覆って強くするのでしょうか。
たしかに薬品も使いますし、鍍金(めっき)に近い技術です。
あと一つ、アルマイトで絶対に必要になるのが「電気」です。
それは製品に電気を流すことによって酸化被膜を作っていくことが出来るからです。
そのためには、どんなに小さな部品でも通電させるための接点(タッチ面)が必要になってきます。
では、どのように接点を作っているのでしょうか。
まず陽極(+)となる側に電気を通す治具を使って、製品をしっかりと固定します。
この時に固定がゆるいと通電不良や作業中に落下するという不具合が起きてしまいます。
この製品一つ一つを固定する作業をラッキングと呼びます。
この接点は最終工程まで接しているため、この部分だけアルマイトが付きません。
染色の場合は接点部だけ色が付かずに、シルバーのアルミ生地色が見えます。
この接点を製品のどこに付けるかは注意が必要です。
通常、接点は品物の穴を利用します。
ただ穴の寸法公差が厳しい場合は、接点に利用することが出来ません。
また穴のない品物についても、接点をどこにするか考える必要があります。
その場合は表面にアルミ線を巻き付けるしかないかもしれません。
どこに 接点を作るかは事前に確認する必要があります。
アルマイト表面処理の基礎知識→https://www.toshin-alumite.jp/knowledge/